《課題》は【シーン】の中心となる要素で、《課題》を選ぶと、そのシーンの大枠が決まります。そのため「TRPGシナリオ作成の道具箱」に慣れてくれば、シーンに含まれる《課題》を見れば、そのシーンのおおよそを掴むことができます。
《課題》は、そのシーンでキャラクタたちが解決しなければならない問題、取り除いたり乗り越えたりしなければならない障害を表しています。《制圧》の課題であればキャラクタたちは敵勢力を倒さなければなりませんし、《踏破》であれば障害を乗り越えて目的地まで移動しなければなりません。
また、《課題》は単にシーンの概略を決めるだけでなく、そのシーンのゲーム的なポイントも定めます。各《課題》の解説では、シーンをどのようにしてゲームに仕立て上げるか、そのポイントを説明してあります。
通常、一つのシーンに一つの《課題》を含みますが、ときには二つ以上の《課題》を含むこともあります。
シナリオ作成の初期段階では、まずは各シーンについて、一覧の中から《課題》をそれぞれ一つ選びます。この段階では、《課題》の具体的な内容やゲームのポイントを決める必要はありません。
シナリオの全体像がだいたい固まってきたところで各【シーン】の詳細の作り込みに入りますが、同時に《課題》の詳細についても決めます。
《課題》の詳細では、以下のような点を決めます。詳細は各《課題》の解説を参照してください。
- 《課題》の達成条件
- ゲームのポイント
- 《課題》の具体的な内容
- 目的と手段
厳密には、《課題》はシーンにおける目的/達成目標を表しています。例えば、《制圧》の課題であれば敵を無力化するのが目的なので、殴っておとなしくさせてもいいし、札束を積んで黙らせてもかまいません。
しかしながら、ゲームのポイントを作り込む段階で、シナリオ作成者は特定の解決方法を想定して課題の詳細を決めていきます。
「TRPGシナリオ作成の道具箱」では、次の八種類の《課題》を用意しています。
- 制圧 立ちはだかる敵を無力化する課題。
- 捕獲・救出 対象人物を確保(捕獲または救出)する課題。
- 防衛 対象となる場所を一定時間守る課題。
- 情報収集 必要な情報を聞き込みや調査で集める課題。
- 調達 必要な物資を市場で購入して調達する課題。
- 説得 説得、脅迫、交渉などにより対象人物に協力させる課題。
- 踏破 困難が待ち受ける場所を通過して移動する課題。
- 突破 敵に守られている場所を越えて進む課題。