2022年1月19日にRuby 3.1.0、Rails 7.0.1で動作確認をしている情報です。書籍の開発環境構築情報が古くなったときの手助けとして、このページを作成しています。
2023年5月1日に、「Dockerをつかって開発環境をつくる」を追記しています。
Macに環境をつくる場合は、「Macに開発環境をつくる」と「RubyとRailsをインストールする」を実行してください。
Windowsに環境をつくる場合は、「Windowsに開発環境をつくる」と「RubyとRailsをインストールする」を実行してください。
Dockerをつかって環境をつくる場合は、「Dockerをつかって開発環境をつくる」を実行してください。
開発環境づくりに必要なxcodeツールをインストールします。
$ xcode-select --install
Homebrew をインストールします。HomebrewはMacでさまざまな便利なプログラムをインストール、管理するためのツールです。以下のコマンド中の-fsSL
の後ろに表示上は改行をいれていますが、実行するときは次の行とつなげて1行のコマンドとして実行してください。
$ /bin/bash -c "$(curl -fsSL
https://raw.githubusercontent.com/Homebrew/install/HEAD/install.sh)"
Homebrewを使ってrbenvをインストールします。rbenvはRubyをインストールして管理するための道具です。なおmacOS Catalinaからデフォルトのshellがbashからzshに変更されています。 echo $SHELL
を実行した結果が /bin/zsh
のようにzshであれば以下の通りですが、結果が /bin/bash
のようにbashであるときは、以下の .zshrc
を .bash_profile
に置き換えて実行してください。
$ brew update
$ brew install rbenv
$ echo 'eval "$(rbenv init -)"' >> ~/.zshrc
$ source ~/.zshrc
これでRubyとRailsをインストールするための準備ができました。つづいて「RubyとRailsをインストールする」へ進んでください。
もしも、Rails6.1以前のRailsをつかう場合や、JavaScriptのライブラリを利用する場合には、Webpackerと呼ばれるライブラリを利用することがあります。Webpackerをつかう場合には、以下の手順でyarnなどの必要なJavaScriptライブラリをインストールします。
$ brew install yarn
Windowsの場合はWSL2(Windows Subsystem for Linux 2、以下WSL)とrbenvを利用することで開発環境をつくることができます。インストールしたWSL上でLinux向けツールを利用して開発します。WSLを利用するためにはWindows10以降が必要です。もしもWindows10よりも前のバージョンを利用している場合や、WSLのインストールがうまく行かないときには、 RailsGirlsガイド インストール・レシピ のページにある「Windows 用セットアップ(WSLが使えない方向け)」を参考にしてみてください。
WSLをインストールする方法は Windows Subsystem for Linux Installation Guide for Windows 10 のページ に書かれていますので、こちらの手順でインストールしてください。また、 RailsGirlsガイド インストール・レシピ のページにも同様の手順がスクリーンショットをつかって丁寧に説明されています。インストールするLinuxを選ぶところでは好きなものを選んでもらって構いませんが、特になければデフォルトであるUbuntuを選択することをお勧めします。UbuntuのバージョンはUbuntu 20.04を想定しています。
WSLのインストール後、起動したアプリケーションはターミナルあるいはBashウィンドウと呼びます。ターミナルにはユーザー名とパスワードの入力を促す画面が表示されていますので、適当なユーザー名(半角英数小文字のみ)とパスワードを入力しましょう。パスワードは2回入力する必要があり、画面には表示されませんが正しく入力されています。
ターミナルで以下のコマンドを実行してください。sudo apt installコマンド中のlibyaml-devの後ろとlibgdbm-devの後ろに表示上は改行をいれていますが、実行するときは次の行とつなげて1行のコマンドとして実行してください。
なお、最初のコマンドを実行する際にパスワードの入力を求められますが、先程ターミナルに入力したパスワードを入力してください。Windowsのパスワードではないことに注意してください。 sudo dpkg-reconfigure tzdata
を実行するとタイムゾーンを設定する画面が出ますので、「Asia」を矢印キーで移動して選択して、Tabキーを押してOkボタンに移動して、Enterキーを押してください。つづいて都市を選択する以下の画面が起動するので、「Tokyo」を矢印キーで移動して選択して、Tabキーを押してOkボタンに移動して、Enterキーを押してください。
$ sudo dpkg-reconfigure tzdata
$ sudo apt update
$ sudo apt upgrade -y
$ sudo apt install autoconf bison build-essential libssl-dev libyaml-dev
libreadline-dev zlib1g-dev libncurses5-dev libffi-dev libgdbm-dev
libgdbm-compat-dev libdb-dev sqlite3 libsqlite3-dev -y
次はrbenvをインストールします。rbenvはRubyをインストールして管理するための道具です。以下のコマンドを実行してください。
$ git clone https://github.com/rbenv/rbenv.git ~/.rbenv
$ git clone https://github.com/rbenv/ruby-build.git ~/.rbenv/plugins/ruby-build
$ echo 'export PATH="$HOME/.rbenv/bin:$PATH"' >> ~/.bashrc
$ echo 'eval "$(rbenv init -)"' >> ~/.bashrc
$ source ~/.bashrc
これでRubyとRailsをインストールするための準備ができました。つづいて「RubyとRailsをインストールする」へ進んでください。
もしも、Rails6.1以前のRailsをつかう場合や、JavaScriptのライブラリを利用する場合には、Webpackerと呼ばれるライブラリを利用することがあります。Webpackerをつかう場合には、以下の手順でyarnなどの必要なJavaScriptライブラリをインストールします。
$ curl -o- https://raw.githubusercontent.com/nvm-sh/nvm/v0.39.1/install.sh | bash
$ source ~/.bashrc
$ nvm install --lts
$ nvm alias default lts/*
$ nvm use default
$ npm install --global yarn
rbenvを使ってRubyをインストールします。Rubyのバージョンは、より新しいものがあればそちらを利用して構いません。rbenvからインストール可能なRubyのバージョンはrbenv install -l
で調べることができます。
$ rbenv install 3.1.0
インストールしたRubyを利用するように設定します。
$ rbenv global 3.1.0
以上でRubyのインストールは完了です。続いて、インストールしたRubyを使ってRailsをインストールします。
$ gem i rails
確認のため、rails -v
コマンドを実行してみましょう。
$ rails -v
Rails 7.0.1
このようにインストールしたRailsのバージョンが表示されればインストール成功です。結果に表示されるバージョンの数字は、実行時の最新バージョンとなるため異なることがあります。
Railsは最新バージョンのものをつかって問題ありませんが、もしも問題が出て進められなくなったときには、gem i rails -v 7.0.1
のようにバージョンを指定して、本書の内容と揃えることもできます。そのときには、以降のページで出てくるrails new アプリ名
コマンドを実行するときに、つかうバージョンを指定しrails _7.0.1_ new アプリ名
とします。
ここまででRubyとRailsの開発環境構築ができました。次の章へ進んでください。
Dockerをつかってかんたんに開発環境をつくる Docked Rails CLI がRailsコアチームより提供されています。あらかじめ、Docker DesktopなどでDocker環境をつくっておきます。
- Docked Rails CLI https://github.com/rails/docked
- Docker Desktop https://www.docker.com/products/docker-desktop
この環境でつかわれるRubyとRailsのバージョンはDocked Rails CLIリポジトリ Dockerfileで確認できます。2023年5月1日現在、Rubyはv3.2.0、Railsはgem install rails
でインストールされる最新バージョンv7.0.4.3がつかわれます。
ターミナルで以下を実行します。aliasコマンドはターミナルを開くごとに必要になるので、 ~/.zshrc
や ~/.bashrc
へ追加しておくと便利です。
docker volume create ruby-bundle-cache
alias docked='docker run --rm -it -v ${PWD}:/rails -v ruby-bundle-cache:/bundle \
-p 3000:3000 ghcr.io/rails/cli'
次の例のように、railsコマンドの前にdockedをつけることで、構築されたDocker環境上で実行できます。bundleコマンドも同様にdocked bundleコマンドになります。railsコマンド、bundleコマンドを実行するときは、前にdockedをつけて実行してください。
docked rails new books_app
cd books_app
docked rails generate scaffold book title
docked rails db:migrate
docked rails server
ここまででRubyとRailsの開発環境構築ができました。次の章へ進んでください。